
痛みを防止するための麻酔ですが、麻酔を注射するときの痛みが嫌だという方は少なくありません。
当院では麻酔の針をできるだけ細いものを使用することで、注射した際の痛みを軽減します。
最近では自動で麻酔を注入する機器もありますが、当院では手での注入を行っています。
手の感覚で微妙な圧力を調整することで、痛みを軽減することができるからです。
虫歯を削る際には、患者様の様子によって十分な休憩を取るなど患者様のペースを大切にしています。
痛みがあるときは決して無理をせずに痛みを伝えてください。
虫歯治療の中でも、神経に関する治療は痛みを伴うことが多くあります。そのため、一回目の神経治療はとくに時間をかけてより丁寧に行います。
具体的には、神経をやむを得ず切断する際には、バサバサになってしまう切断面をきれいに時間をかけて整えます。この細かな工程をしっかりと行うことで後の痛みを軽減することができます。
医院の都合ではなく、患者様の痛みを減らすことを最優先して治療を進めています。
症状にもよりますが、削ったり、神経をとる治療はできるだけ最後の手段にし、ほかに対処方法がないかを考えます。
状況に応じて、慌てて神経の治療を進めるのではなく、治療回数を重ねてでも神経を温存できるように慎重に治療します。
当院では、虫歯で歯を削らざるえないときには、V4システムをおすすめしています。
V4システムは歯に特殊な器具を装着した上で、かぶせ物をする方法です。
自費治療のため保険適応にはなりませんが、次のようなメリットがあるため、非常に好評です。
左上5番の近心隣接面に虫歯があります。
一見なんともないように見えますがよく見ると若干黒っぽく見えます。
その部分の表面エナメル質を少し削ってみると
内部の象牙質には黒く変色した虫歯が現れます。
細菌感染した軟化象牙質を取り除いた状態です。
歯髄保護したあとレジン充填して治療を終了した状態。
V4を組む前の状態
V4システムを組んでこれからレジン充填を始める前の状態。
15,000円
むし歯をほおっておくとどうなってしまうのでしょうか。むし歯はエナメル質を溶かし、象牙質まで到達します。さらに歯髄まで達し最後には歯の見える部分がなくなってしまいます。
むし歯の進行度はC1~C4に分類されます。このCとはドイツ語でむし歯という意味のCariesからきています。
C1がエナメル質がむし歯である状態、C2が象牙質までむし歯である状態、C3が歯髄までむし歯が到達した状態、そしてC4が歯の見える部分が残っていない状態です。この分類は便宜上のもので、例えばC2に近いC3というように個人個人で口の状況が異なります。そのためお客様の口の状況を把握し、最適な治療を施す、ということを当院では心がけています。
では、段階ごとに合った治療とはどういうものなのでしょうか。削らないといけないのか、銀歯になってしまうのか、はたまた歯を抜かなければならないのか。ここでは段階ごとの治療法をお伝えします。
エナメル質がむし歯であるC1の段階では、歯を削り、詰め物をします。具体的にはレジン修復というコンポジットレジンというプラスチック樹脂を削った部分に詰める治療をおこないます。詰め物の型をとらないで修復するため一回の診療で治療が完了します。
次に、象牙質にまでむし歯が到達したC2の段階ではC1のむし歯よりも大きく歯を削ります。削ってできた穴にインレーという詰め物をします。このインレーは歯の形にピッタリ合うものが必要であるため、歯の型をとり調整していかなければなりません。この治療法をインレー修復といいます。
C1もC2も神経にまでむし歯が到達していないため歯を削って詰め物をすることで治療が可能です。しかしC3以降は事情が変わってきます。
C3以降は歯髄が菌に感染してしまっています。歯髄とは歯の神経、血管、リンパ管を含む部位のことをいいます。歯髄が感染すると熱いものが歯にしみるようになります。このような自覚症状が出てしまった場合、抜髄といって菌に感染した歯髄を取り除く治療が必要となります。
抜髄をおこなうにはまず局所麻酔を注射します。そしてエナメル質と象牙質を取り除き歯髄を露出させます。その後感染した歯髄を、専用の針でからめとり薬を入れ一度穴を閉じます。1~2週間したら根管充填剤というものを詰めセメント材でふたをします。
以上が抜髄の流れです。さらに歯髄の感染が進み、歯髄が完全に死んでしまっている状況が考えられます。この場合は死んで粉々になった歯髄を取り除かなければならず、抜髄の場合よりも難しい治療である根管治療という治療をおこなわなければなりません
このようにむし歯の治療は段階によって様々です。段階が進めば進むほど治療は難しくなっていくので、歯が痛い、しみる、と少しでも違和感を感じたら当院にお越しください。むし歯の段階に応じて適切な治療をご提供いたします。